現代では小中学生でもスマートフォンを持つのが当たり前になりつつあります。しかしその一方で、保護者が見えない場所でインターネットを利用する機会も増えており、ギャンブルサイト・違法サイト・ポルノや暴力的なコンテンツなど、子どもにとって有害な情報へアクセスしてしまう危険性も高まっています。
そこで今回は、技術的にスマホでの有害サイトアクセスを防止する方法として、DNSレベルでのフィルタリングが可能なCloudflare Family DNSをご紹介します。特別なアプリや高価なソフトを使わなくても、スマホの設定を少し変えるだけでDNS over HTTPS(DoH)による安全なフィルタリングが可能です。
DNS(Domain Name System)は、ウェブサイトのアドレス(例:www.example.com)をIPアドレスに変換する仕組みです。すべてのインターネット通信はこのDNSを通過して目的のサーバーに接続します。
そのため、DNSの段階で「このサイトは有害だからアクセス不可」と判定すれば、子どもが有害サイトを開こうとしても自動でブロックすることができます。しかもDoH(DNS over HTTPS)という暗号化技術を使えば、第三者からの盗聴や改ざんも防げて一石二鳥です。
Cloudflareは世界中で使われている高速DNS「1.1.1.1」の提供元で、信頼性の高いインターネットサービス企業です。そのCloudflareが提供しているファミリー向けサービスが「Cloudflare Family DNS」です。
このDNSを使えば、以下のようなサイトがDNSレベルで自動的にブロックされます。
さらに、これらのフィルタリングはすべて無料で利用可能。特別なアプリのインストールも必要なく、スマホの設定だけで導入できます。
1. スマホの「設定」アプリを開く
2. 「ネットワークとインターネット」→「詳細設定」→「プライベートDNS」をタップ
3. 「ホスト名を指定」を選択
4. 以下のDoHサーバー名を入力:
family.cloudflare-dns.com
5. 保存して終了
iPhoneでは直接DoH設定ができないため、以下の方法のいずれかを使います。
Wi-Fiルーターで設定する場合は、次のDNSアドレスを入力してください:
子どもにスマートフォンを持たせること自体は今や珍しいことではありません。しかし、その中身=インターネットの内容まで安全かどうかは、保護者の対応次第です。Cloudflare Family DNSを使えば、アプリ不要で簡単にスマホのフィルタリングを強化することができます。わずか数分の設定が、子どもをネットの危険から守る大きな盾になります。
スマホを与える前に、あるいは今すぐにでも、DNS設定を見直してみましょう。