インターネット上には、ギャンブルサイトや違法コンテンツ、有害情報を含むサイトが数多く存在します。こうしたサイトへのアクセスを制限したいと考える保護者や教育機関、企業も少なくありません。そのようなニーズに応える技術のひとつが、DNS over HTTPS（DoH）です。この記事では、DoHを利用して有害サイトへのアクセスをブロックする方法と、代表的なサービスであるCloudflare Family DNSについて解説します。
通常、DNS（ドメインネームシステム）は暗号化されていない状態で動作しており、通信内容が第三者に傍受されたり、改ざんされる恐れがあります。これに対し、DoHはDNSの問い合わせをHTTPSで暗号化して送信するため、プライバシーとセキュリティの両方が向上します。加えて、DoHサーバー側にフィルタリング機能があれば、特定ジャンルのサイトをアクセス不能にすることが可能です。
Cloudflare Family DNSは、セキュリティ企業Cloudflareが提供する無料のDNSサービスで、有害サイトのブロック機能を備えたバージョンです。DoHにも完全対応しており、デバイスやネットワーク全体で安全な名前解決が可能になります。
Cloudflare Family DNSのDoHエンドポイントは以下のURLです：
このURLを、OSのネットワーク設定や、DoHに対応したブラウザ（FirefoxやChrome）に登録することで、DoH経由でCloudflareのファミリーDNSを利用できます。AndroidやiOSの場合は、Cloudflareが提供する「1.1.1.1」アプリを使えば簡単に設定できます。
ギャンブル・違法・有害なサイトから自分や家族を守るには、単なるフィルタリングソフトではなく、ネットワークの基盤であるDNSを使った対策が有効です。DoHとCloudflare Family DNSを組み合わせれば、通信の安全性を保ちつつ、有害サイトへのアクセスをDNSレベルで強力にブロックすることができます。誰でも無料で使えるこの仕組みを、家庭や教育現場、オフィスでぜひ導入してみてください。
※本記事の内容は2025年7月時点の情報に基づいています。